もちこ日記

すちゃらかアラサー日記(自分保存用)

学芸員を一旦退くお話(2)

この1年でとてつもなく面白い作品にも、たくさんのユニークで素敵な作家さんにも出会えて、本当に天国のようなお仕事だった。と同時に、自分の未熟さも改めて感じる場面が多々あった。生涯学び続けないといけないなと思ったし、恐れずどんなことにも挑戦していかなきゃなぁーなんて思ったりした。

この業界の人たちは面白くて情熱的、お話上手でとにかく飲む人が多い。(それは土地柄かな?)毎日刺激的だった!

利用者さんとの仕事では自分を高めてくれるいい機会になった気がする。気づかせてもらえたことがたくさんあって、とても書ききれない。

上司も先輩も本当に素敵でカッコよくて毎日業務の間にいろんなお話をした。県外にみんなでお出かけもしたりした。楽しすぎた…あんな素敵な人たちと一緒に1年でも働くことができて幸せだった。とっても寂しい。。

さっき退勤する時、悲しすぎて号泣してしまった。上司もウルウル。本当に寂しすぎる。
でも私もまだ近くにはいるし、例え離れていても繋がっていられる時代。これからもこの出会いを大切にしていきたいな。

しばらくは疎かにしていた勉強をしつつ、仕事についても行動していく感じ。忙しくてあまりインプットもできてなかったので、読みたかった本を読んだり勉強したり、考えたりするつもり。
展覧会も建築ツアーもしたいし、演劇もお笑いもみたい。いろいろ吸収しつつ、喘息ももう少し治したい!

 

ここまでつらつらと書いてきましたが。

 

私の勤務していた館は、国内でも数少ないアールブリュット専門の美術館。更には同時にアートを通じて地域と繋がることをミッションとして掲げた「攻めてる小さな美術館」です。

そして、障害のある方たちが働く事業所でもあります。

事業所や作業所と聞くと、どんな場所をイメージするでしょうか。

周囲に障がいのある方がいないと、存在すら知らない人もいるだろうし、知っていても、障害があるから簡単に作れるようなモノを作って売ってる場所?だと思ってる人が大半なのではないでしょうか。

 

これらの施設は社会から煙たがれ、認知されることが少ないのが現状だと現場で働いてみて思いました。

飲食関係の事業所と知らずに買った料理が、お菓子が、実は障がい者が作ったと知った途端食べたくないと感じる人もいることは事実。

使ってる素材は毎日私たちが食べているものなのに、作る人が健常者か障がい者かで差別される寂しい現実があります。

 

受付や監視、清掃などは全て利用者さんにお願いしている当館でも、似たようなことが起きていました。知的障害のある利用者さんに、お客様が駐車場の道を聞いたところ返答がなく、怒って帰られてしまうことも、売店でお金の計算を間違えしまい、お客様からお叱りを受けたこともありました。

もちろん私たち学芸員兼現場指導員もその都度指導はしていますが、一度考えてみてほしいです。誰にだって間違いがあり、できることと、できないことがあります。障がいの有無なんて関係ありません。

 

もし、今後当館に来られる際は、どうか心のクッションで受け止めてください。アートを楽しむ空間なので、優しくゆったりとした気持ちが何よりも価値のある入館料になります。

障がい者が働く美術館ということは現時点では表立って言っていく必要はないのかなと思います。少しずつ、来館されたお客様が広めていってくれたらいいな。なんて思ってます。

 

思うところはまだまだいろいろありますが、ここでの経験は自分の知識、経験ももちろんですが、何よりも心が豊かになりました。形を変えながら活かしていきたい。

今後とも藁工ミュージアムも、私もよろしくお願いします。7/30(日)まで担当展覧会やってるよ↓

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※ワークショップは定員に達したため、受付を終了してます、ご了承ください。

 

facebookもよろしくお願いします↓

 http://warakoh.com/museum